積水ハウスで約55億円が騙し取られた事件で、積水ハウスが損害賠償を求めた訴訟の判決で、東京地裁は11月27日に10億円の支払いを命じました。
積水ハウス地面師詐欺事件とは
2018年にデベロッパーとして国内最大手の積水ハウスが約55億円もの巨額を騙し取られた事件です。東京都品川区五反田の旧旅館「海喜館」を舞台に起きたこの地面師詐欺事件は小説化もされ、ネットフリックスで映像化もされました。(映像化はあくまでこの事件をモデルとしたフィクション作品として公開されています。)
事件の犯人たちはどうなった?
事件発生後、刑事告訴により捜査が進み、2018年11月に地面師グループの主導役の内田マイクが逮捕、2019年1月に主犯格とされる男カミンスカス操が逮捕されました。この時点で16名の逮捕者が出ていました。
内田マイクとは
積水ハウス地面師詐欺を企画、立案した人物になります。(もう一人北田文明という男もいる)
2000年代に入り、ITバブルと言われた時期に暗躍していた。六本木ヒルズ族に代表された新興成金たちが不動産投資に浮かれていた時代です。当時東京に複数ある地面師グループの中で警察が池袋グループの名付けたグループの頭目でした。
2002年4月に逮捕され、懲役刑となります。その後釈放され地面師として活動を再開しました。
ネットフリックス「地面師たち」では豊川悦治さん演じるハリソン山中にあたります。
東京高裁は2021年1月28日に懲役12年の実刑判決となります。
北田文明とは
内田マイクと並んで今回の事件の主犯格の一人となります。金融通で銀行融資を組み合わせた「逆サヤ」という詐欺の手口を編み出したとされています。
2018年11月の時点で逮捕されている。
カミンスカス操とは
今回の事件の主犯格の一人であり、ネットフリックス「地面師たち」では綾野剛さん演じるタクミにあたります。もともとは小山操という名前で活動していたが、事件後有名になりすぎてしまい、外国人ホステスと婚姻関係を結びカミンスカスに変えたとのことです。
それはそれで目立つ名前ですが・・・本名だったのですね。
主犯格の一人であるカミンスカス操の逮捕
2020年の時点で、カミンスカス操含めて17名の逮捕者のうち10名が起訴されます。
逮捕は容疑がかかっている人の身柄を確保すること。
起訴は犯罪の被疑者にたいして刑事裁判を提訴する手続きとなります。
カミンスカス操以外の9名は有罪判決が言い渡されましたが、カミンスカス操の弁護士は「地主がなりすましだとは知らなかった」とし無罪を主張。一審で有罪判決後控訴しますが、二審で懲役11年の有罪判決となります。
積水ハウスの損害賠償請求が認められる
事件発覚後、積水ハウスが詐欺などの罪で有罪判決が確定した10人に損害金の一部として10億円の賠償請求を求める訴えを起こしていました。
このうち賠償責任について争っていた主犯格の内田マイク受刑者、カミンスカス操受刑者など5人に対して、東京地検は11月27日請求通り、合わせて10億円の支払いを命じる判決を言い渡しました。
争わなかった残りの5人についても同じ額の賠償命令が出ており、確定すれば10名で連携して支払うこととなるとのことです。
いかにもっていう風貌ですね。
55億円の被害でなぜ10億円だけの損害賠償なのか?
誰もが思うのが損害賠償請求が安すぎるということではないでしょうか?
明確な答えは分かりませんでしたが、10億円までの証拠しか出ていないとか、共犯者もいるから今回の10人に対しては10億円までの金額だったとかいろいろ言われています。
そもそもこの10億円でさえ支払わない可能性も高く(日本の法律だと逃げ得ができてしまう)、いろいろと納得のいかない決着となりました。
現在主犯格は服役中ですが、出所後はどこかに隠している騙し取ったお金を使ってまた豪遊でもするのでしょうか。詐欺事件の刑事罰が軽すぎるのも原因かと思われますが、皆様はどう感じましたでしょうか?
まとめ
一応の決着を見せた「積水ハウス地面師詐欺事件」。地面師詐欺グループの主犯格含めた10数人が逮捕され、その内5人に対して10億円の賠償請求が命じられた形となりました。
被害額の大きさからすると軽すぎる気もしますね。また、仮釈放という措置もありますので10年以下で出所してくる可能性もあるということです。
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